ランニングすると膝が痛い。お皿(膝蓋骨)の奥の方が痛い…よくあるケガなのにあまり知られていない膝蓋下脂肪体炎⁉︎ その原因と対策

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ランニング怪我・対処治療法

ランニングに伴う膝の痛み…いろんな種類のものがあります。一口に「膝が痛い」と言っても痛い部位によって原因や対策も異なります。

今回は意外に知られていない「膝蓋下脂肪体炎」という膝のお皿の奥が痛む障害についてご紹介します。

膝の外側痛(ランナーズニー)や内側痛(鵞息炎)に関してはこちらの記事をご参照下さい。

膝蓋骨脂肪体炎で痛いのはここです

膝蓋骨の下縁を押すと痛い部分を直撃します。

痛みの正体はこれです。

この青い部分が膝蓋下脂肪体です。

膝蓋下脂肪体は膝蓋腱の深層にあり、膝に加わる衝撃に対するクッションの役割をしています。このクッションに繰り返し衝撃が加わり炎症が起きてしまっているのです。

ヒールストライク(踵着地)が大きな原因です

踵から着地すると大きな衝撃が膝関節を直撃します。踵着地でジャンプの着地を行えばお分かり頂けると思います。

ズドンと頭まで響きます。膝は逆膝(過伸展)が起こるような圧がかかります。これは膝関節には大変危険な動きです。

しかし足の真ん中、土踏まずの前で着地すれば衝撃は全く違います。

足関節、膝関節が軽く衝撃を吸収できるからです。

  

膝蓋骨脂肪体炎の治療

膝蓋下脂肪体炎からの早い復帰を目指すには、手っ取り早くこの部分に消炎鎮痛の注射をして安静にするのが良いです。一度この部分の腫れを抑えてしまいます。スポーツに強い整形外科にかかりましょう。

問題はその後です。このヒールストライクを徹底的に直します。同じ走り方をしていたら、必ず痛みが再発します。注射を繰り返すことはよろしくありません。

ヒールストライクを修正する

踵で着地しないために、つま先で走ろうとするランナーがおられます。これは間違いです。

ふくらはぎの肉離れなどを起こします。つま先立ちのようなことをして走り続けることはできません。

大切なことは走っている時の「重心の位置」です。

重心の話をするときにワタシは「丹田」というツボを使って説明します。「丹田」は下腹部にあり、おへそから指4本分の幅を下った位置にあります。人差し指から小指までの指4本幅です。

中医学ではここに「気」が集まるスポットだと考えられています。

起立している時には丹田は土踏まずの上にあります。

走る時にはこの丹田をつま先の前に置きます。

微妙な前傾姿勢になります。

この位置に丹田があれば踵着地はできないのです。

ランニングの指導でワタシは「足を上げる」とか「足を前に出す」ということは絶対に言いません。足を上げるようとすれば、体は後傾しやすいのです。後傾すればヒールストライクが起こります。

膝の痛みが治まったら、焦らずにランニング時の重心位置に気をつけてジョギングを繰り返してください。この重心が整ったら徐々にスピードを上げて走りましょう。一番大切なことはランニングフォームの修正です。

 

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お身体の不調でお悩みの方は柳鍼灸院にお気軽にご相談ください。ランナーの方はランニングシューズをご持参ください。ランニングフォームのチェック、リハビリメニューを処方する場合があります。