ランニング中、着地時にくるぶしが鈍く痛むことがあります。
また走り終えた後、重たい痛みがくるぶしに残ることもあります。
「骨が痛い!」ような印象を受けますが、これはくるぶしを通過する腱の痛みである場合が多いのです。
なぜ「くるぶしを通過する腱」が痛くなるのか?
どうしたらこのくるぶしの痛みを解消できるのかをご紹介します。
内くるぶしの痛みは「後脛骨筋腱」の炎症
この「内くるぶしの後方」を通過する筋肉の腱が痛むのです。
後脛骨筋腱という腱です。
内くるぶしが痛む原因は
着地の際に内くるぶしを内側に押しつけるようなこの動きです。
動画をご参照ください。
少し大袈裟に表現していますが
このように内くるぶしが内側に倒れるような動きが加わると、この「後脛骨筋腱」に大きなストレスがかかって痛むのです。
この動きを「オーバープロネーション」と呼びます。
この着地の癖があるランナーは結構おられます。
内くるぶし痛の対策
行うべき対策は2つ。
①フォームの改善
内側にスネが倒れる動きに排除します。
具体的には「母指球で地面を押さない!」という意識で走ってください。
ゆっくりジョギングしながら、真っ直ぐ地面を捉える着地時の感覚を確認してください。
②着地に必要な筋肉の強化
着地を真っ直ぐ決めようとしても、疲れてくると筋力が低下するためにしっかり体を支えられず、この「オーバープロネーション」が起こってしまいます。
着地が真っ直ぐ決まるように筋力トレーニングを行いましょう。
これに関しては「サブ3・サブ4達成の筋トレ マラソンに重要な3つを鍛えるトレーニング」をご覧ください。ランナーにオススメの筋トレを紹介しました。着地に必要な筋肉を鍛えましょう。
外くるぶしの痛みは「腓骨筋腱」の炎症
この「外くるぶしの後方」を通過する筋肉の腱が痛むのです。
後脛骨筋腱という腱です。
原因は着地の際に足の外縁に体重が乗ってしまうからです。
体が着地している足より外に流れてしまいます。
着地している足よりも体全体が外側に流れています。
そのために後脛骨筋腱を引きちぎるような力がかかるのです。
さらに
この倒れ方が強いと下図のように
足関節を作る腓骨(細い方の骨)を外に押し出すストレスがかかり
関節痛をも引き起こします。
ではなぜこんな風に曲がった着地になるのでしょうか?
中臀筋の問題です。
中臀筋とは
骨盤の側面にある大きな筋肉です。
この筋肉は足を側方に持ち上げる動きを担います。
ランニングにおいては左右にブレない安定した着地ができるように骨盤を固定します。
中臀筋がしっかり機能しないと着地時に骨盤から「くの字」に折れるようにブレるのです。
普段から着地が上図のようにブレまくることはあまりありませんが、強度の高いロング走やスピード練習でヘロヘロになるとこのようなブレは容易に起こります。要注意です。
外くるぶし痛の対策
中臀筋を鍛えます。簡単な方法はこのトレーニングです。自重でもゆっくり大きく動かすと十分に効きます。
足を上げる際に気をつけることは、足の外縁が地面に平行もしくはやや踵が上であること、つま先が上を向くと太もものトレーニングになってしまいます。
チューブを使ってスクワットをする方法も有効です。
中臀筋と共に体幹、大臀筋、大腿四頭筋を鍛えるのが有効です。
前述と同じ記事「サブ3サブ4達成の筋トレ」をご参照ください。
ランニングのレベルが向上したら走る練習だけでなく、筋力を養うトレーニングを行いましょう。
速いスピードや長時間走る衝撃から関節や腱を守るのに筋力が必要になるのです。
本当に色々なランニング障害があります。ワタシが臨床でよく見かけるもの、その障害への対策などをまたご紹介したいと思います。
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お身体の不調でお悩みの方は柳鍼灸院にお気軽にご相談ください。ランナーの方はランニングシューズをご持参ください。ランニングフォームのチェック、リハビリメニューを処方する場合があります。