マラソンシーズン真っ盛りとなってきましたね。インスタを拝見していても市民ランナーの皆さんがいろんな大会参加に参加されて熱い走りを繰り広げる様子に刺激を受けます。そしてその一方で多くの方が怪我で思うように走れず、じっとリハビリされていたり、走る量を抑えながら復帰の準備されていたり…治療家として少しでもお力になりたいと感じます。
今日はお尻を鍛えてランナーズニーを治す方法にについてお話ししたいと思います。
ランナーズニー、正式名称は「腸脛靭帯炎」
解剖図にあるように大腿の外側を太い靭帯「腸脛靭帯」が骨盤から膝の側面まで伸びています。
この膝にくっ付いている部分(黄丸)が炎症を起こして痛むのです。
なぜここが痛くなるのか?
それはこの部分に変な力がかかっているからです。
「膝外反」(膝を外に折る)
「膝捻り」
中臀筋に問題があるとこの「膝外反」が起こりやすくなります。
膝が痛くなるのに原因は中臀筋なのです。
中臀筋は骨盤を正しい位置に保持しています。しかし中臀筋が弱ると骨盤が弱った中臀筋のサイドに傾き、体が「くの字」ように曲がってしまいます。
この状態で走ると足の外側に大きな負担がかかり、着地時に膝を外に折るような力が加わり、腸頸靭帯が膝に付着している部分を引き延ばすのです。
軽く走っている時にはバランスよく走れていても、長い距離を走っていると中臀筋が疲れてきて、この「くの字」的な歪みが生じてきます。このまま走っていると、腸頸靭帯部分にストレスが溜まり、炎症を起こして痛みを生じます。
対策として、当然この中臀筋を鍛える必要があります。運動は脚を側方に挙げる動きです。足先を正面に向けてゆっくり側方に上げます。お尻の横が地味に効きます。左右10回2セットから始めてみましょう。
チューブなどの負荷をかけて挙上するのも有効です。
そして少し厄介なのは腰痛がある人のケースです。腰痛が原因で中臀筋が張ったり、力が入りにくい人がいます。その状態で無理して走ると先ほどお話した「くの字」的な歪みでランナーズニーを発症する可能性があります。まずは腰痛をきちんと治療することが大事です。早く復帰するにはこのような根本原因の解決と同時に患部を直接治療するのが有効です。
腸脛靭帯の痛みを体外衝撃波治療で解決する
しばらくランナーズニーを患っていると痛みのある部分は慢性的に炎症をしています。この慢性的な炎症箇所には微細な血管が新生して分布します。最近になってわかってきたことです。この微細な血管ともに神経が炎症部位に増えます。神経が増えると敏感になるので痛みを感じやすくなります。これがしつこい痛みの理由です。
ワタシはこの炎症部位に「体外衝撃波」を当てる治療を行っています。パチン、パチンと強い圧力の衝撃を患部に打ち込みます。動画参照ください。
この体外衝撃波は増殖した微細な神経週末を変性させて、痛みを伝える物質を減少させます。欧米のスポーツ現場では安全で有効な治療として認められています。日本では体外衝撃波治療器が高額な割に保険点数が稼げないので導入する病院が少ないのです。
http://www.hokkaido-seikei-kinen.jp/eswt.html
http://www.jiaikai.or.jp/imamura-general/sports-orthopaedic/shock-wave.html
もう一つ例に挙げました「膝の捻り」に関してはランニングスタイル11月号でご紹介しました。オーバープロネーションなど着地のブレの改善する方法などもいろいろ載っています。よろしかったら参考にして下さい。
ランニング指導ご検討の方はこちらまで。
お身体の不調でお悩みの方は柳鍼灸院にお気軽にご相談ください。ランナーの方はランニングシューズをご持参ください。ランニングフォームのチェック、リハビリメニューを処方する場合があります。