マラソン自己ベスト更新!「乳酸」と付き合う方法を理解して後半の失速を回避!

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ランニング練習方法

今日はマラソンに深く関係する運動生理学「乳酸」に関してお話したいと思います。「乳酸ね…疲労物質かな」という初心者の方、かなり噛み砕いてお話しますので是非お付き合い下さい。

フルマラソンの記録を伸ばすには「乳酸との付き合い方」が大きな問題です。

なるべく乳酸とは付き合わない。でも付き合わない訳にいかないのです。

運動に使う筋肉には2種類あります

遅筋:ゆるく穏やかな運動が得意。色は赤、マグロのように泳ぎ続ける魚は遅筋が多く、赤身の魚である。

速筋:キュッと動く素早い動きが得意。色は白、ヤマメのような鋭い動きをする魚は速筋が多く、白身の魚である。

フルマラソンで活躍するのは遅筋です

そしてもう一方の速筋はむやみに使ってはいけません。ヤマメのような鋭く速い動きをしないということです。なぜならこの速筋を使うと「乳酸」という疲労物質を作り出すからです。これは筋トレなどで味わう「パンパン」に筋肉が張る原因物質です。足が固まります、攣ります。時々マラソンのスタート直後に果敢に人の間を鋭くすり抜けるランナーがいます。これは最もやってはいけないことです。あとでツケを払うことになります。

どうしたら遅筋を有効に使えるのか

下グラフをご参照ください。ヨコ軸がランニン速度、タテ軸が血中乳酸濃度です。グラフには2次曲線みたいに急激に血中乳酸濃度が上昇するポイントがあります。この乳酸値が跳ね上がらないギリギリ手前の速度で走り続ければ良いのです!

乳酸値が跳ねあがらないギリギリとは?

友達と会話しながら走っても息が上がらない最速です。この「気張らずに楽に走れる速度」を上げていくのです。

どうやって?

まずは走り慣れると、足の筋力、心肺機能が向上して楽に走れる速度は自ずと速くなります。

そして次の段階で重要なのは「ランニングエコノミーの追求」です。多くの市民ランナーが月間走行距離という走った「量」に意識が向き、このランニングエコノミーという大切な「質」の追求に無頓着です。

同じスピードでもどうしたらもっと楽に、省エネで走れるかを自分なりに研究しましょう。軽くジョギングをしながらランニングエコノミーを考えるのです。

脚力、心肺機能、ランニングエコノミーを向上させて図2のように血中乳酸濃度の上昇を先送りにするのです。

どうしたら楽に走れるのか?

ワタシが注目するのは3つ。

・姿勢

・重心

・腕の振り方

もっと自分にあった形やイメージがないかとワタシも日々探求しています。ちょっとした発見がきっかけで、随分軽く走れるようになることがあります。

興味深い本もたくさん出版されており、様々な面白い表現に出くわします。「おへその下を牽引されて走る」「頭の上から紐で吊るされている姿勢のイメージ」「骨盤を八の字に回す」・・・もっと楽に走るヒントが沢山あります。

そしてもう一つ大きな課題があります。

この乳酸値の跳ね上がる速度よりもゆっくり走っても、徐々に血中乳酸濃度は上がってきます。

乳酸を処理しなければなりません

我々の身体にはこの乳酸を処理する素晴らしいリサイクルシステムが備わっています。

乳酸は人間の細胞の中にあるミトコンドリアというエネルギー産生装置に取り込まれると「エネルギー源」として再利用されるのです。マラソン終盤、糖質などのエネルギー源が枯渇してきた時に乳酸は大変貴重なエネルギーとなるのです。

再利用の能力を向上させる練習を行う必要があります

例えばインターバル走。1km×5本などのメニューで追い込みます。この練習は体内のミトコンドリアを増やして、乳酸を処理する能力を向上させます。定期的に練習メニューに入れるのがオススメです。ヘロヘロになりますが、ここにはミトコンドリアを増やすという大きな目的があります。根性もつきますが、根性練習ではありません(笑)

乳酸と上手に付き合って、皆さんがスカッと自己ベストを更新されるのを祈っています!

 

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